更年期とは？
女性の一生の中で、閉経をはさんだ前後10年ほどの時期を「更年期」といいます。
日本人女性の平均的な閉経年齢は 50歳前後 なので、一般的には 45〜55歳ごろ が更年期にあたります。
卵巣の働きが徐々に低下していくと、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が急に減少します。
このホルモンの変化に体がついていけず、さまざまな不調が出やすくなるのです。
更年期に起こる症状
- 体の症状
- ほてり（ホットフラッシュ）
- 発汗、のぼせ
- 動悸、めまい
- 頭痛、肩こり、関節痛
- 疲れやすい、眠れない
- 心の症状
- イライラ
- 気分の落ち込み
- やる気が出ない
- 不安感
これらは「更年期症状」と呼ばれ、強く出て日常生活に支障がある場合は「更年期障害」といいます。
東洋医学からみた更年期
東洋医学では「女性の体は7の倍数で変化する」と考えられています。
49歳（7×7）ごろを境に、卵巣や子宮の働きが弱まり、エネルギー（気）や血（けつ）、腎（じん：生命力の源）が少しずつ衰えていきます。
そのため、ホルモンの変化に加えて「気・血・水（すい）」のバランスが乱れ、心身にさまざまな症状が出やすくなるのです。
- 「のぼせ・ほてり」＝気の上衝（エネルギーが上にあがる）
- 「冷え」＝腎の力不足
- 「イライラ・不眠」＝肝の働きの乱れ
- 「疲れやすさ」＝気血不足
といったように、症状の出方は人それぞれです。
鍼灸でできること
鍼灸では、一人ひとりの体質や症状に合わせてツボを選び、自律神経・ホルモンバランスを整えることを目的とします。
主な効果
•自律神経を整え、ホットフラッシュ・動悸・不眠をやわらげる
•血流を改善し、冷えや肩こり・頭痛を軽減
•気持ちを落ち着け、イライラや不安をやわらげる
•体のエネルギーを補い、疲労感を改善
よく使うツボの例
•三陰交（さんいんこう）：ホルモンバランスを整える
•関元（かんげん）：体力を補う
•百会（ひゃくえ）：自律神経・精神安定
•太谿（たいけい）：腎の力を補う
更年期は誰にでも訪れる自然な体の変化です。
ただし症状の強さは人それぞれ。
鍼灸は薬に頼りすぎずに、体質や生活習慣に合わせたサポートができるので、
「なんとなく調子が悪い」「病院では異常がないけどつらい」
といった方にもおすすめです。
